中国スマホメーカー、世界市場でのシェア獲得のための戦争

中国スマートフォンメーカーの強み・地域にあった製品開発

多くの中国メーカーは、自社製品を各国のマーケットに合わせてカスタマイズすることができるため、その点では非常に優位に立っています。
Appleは国内でモバイルアプリの開発とマッピングサービスを育成するために働いており、iPhoneはインドのいくつかの言語をサポートしています。
 
たとえば、Xiaomiはスマートフォン用の特別な充電器を開発しました。
この充電器は、安定しないインドの電力事情をよく知る、Xiaomiならではのローカライゼーションプロダクトでしょう。
 
中国のスマートフォンは、iPhoneがどんどん高額化していくことにより、中国や新興国市場で大きなチャンスを迎えようとしています。
中国のスマートフォンメーカーは、iPhoneが高くなればなるほど、iPhoneと同等の能力を持つ高機能端末を低価格で販売することができます。
 
新興国市場と中国国内市場では、やはり求められる製品に違いがあるものの、地域にあった商品を投入するという点では、
中国のスマートフォンメーカーはAppleの1枚も2枚も上を行っているでしょう。
 
スマートフォンの世界はめまぐるしく動いています。
iPhoneが登場した約10年前、海外携帯・スマートフォンの世界を席巻していたのはBlackberryやNokiaといったメーカーでした。
Blackberryは既に独自で製品を設計、販売することから撤退しています。
また、NokiaもMicrosoftの傘下にありましたが、最近、フィンランドの会社が買収に成功し、Androidを積んだスマートフォンとして復活を果たしました。
 
現在はApple、Samsungを中心として、そのまわりに中国メーカーが絡む様相となっていますが、
先進国の市場以外では、中国スマホメーカーの強さが目立ちます。
 
iPhoneは現在でも、世界のどこにあってもひとつのブランド、ステータスシンボルとして認知されているスマートフォンです。
ただし、あまりにも価格が高くなることにより、人々の心にも変化が出てきます。
ましてやスマートフォンというものが特別なものでは無くなり、実際にスマートフォン市場が縮小方向へと向かう中、Appleの名を冠したモデルよりも、
よりユーザーのニーズに応えてくれる高機能で安い端末に人気が集まっています。特に新興市場では、このような傾向が今後も続くものと考えられます。
 
また、新興国以外の市場では、Huaweiに代表されるように、AppleやSamsung に並ぶブランドとして、
市場に存在感とイメージを植え付けたいと考えている中国メーカーが出てきています。
新興国を中心としたイメージ戦略は非常にうまい中国のスマートフォンメーカーですが、
Appleなどと並ぶブランドイメージを作ることは簡単ではないでしょう。
それでも中国メーカーの野望はとどまるところを知りません。